予想通りに不合理

研究室に届いた本。原作が英語らしいけれど、英語で読んでいたらどれだけ時間がかかるかわからないので日本語版を読む。

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」


この本は行動経済学という新しいジャンルについての研究がなされている本で、行動経済学とは心理学と経済学を合わせたような学問のようだ。


人が何かを選択するときにどのような心理的影響があるのか、ということを数々の実験とともに紹介している。


一例をあげよう。(本書の例ではない)
100円の普通のチョコと200円のおいしいチョコを売る。
両方を50円引きするとどうなるか。客はおいしいチョコがいつもより安く買えるので150円でそちらを買うようだ。
では両方を100円引きするとどうなるか。客は普通のチョコを買う。無料なので買うというよりは貰うに近いのだが、普通のチョコを選ぶ。

経済学的にみると、相対的な値段はどれも同じ100円差なので客の購入するものが変化することはないようだ。しかし無料(0円)というものは特別な意味があり客は無料があるとそちらを選ぶ傾向がある。


これが行動経済学、というものらしい。
人間の心理をついた実験が多く、普段からどのように決断をしているのか参考になる本である。


ある時はどうしようもなく”予想通りに不合理”な選択をするかもしれない。しかし本書に書いてあることを知っていれば合理的な選択ができるようになれるのではないだろうか。


恥ずかしながら、心理学も経済学も全く分からないので新しい発見ばかりでとても面白かった。



ところで、翻訳本ってこんなに分かりにくい日本語を使うものなの?翻訳権独占と銘打ってある割におかしな日本語ばかりだった。